
横浜アロマスクール【風ら花】がお届けする精油辞典シリーズ。 今回は、感染症対策や皮膚トラブルのケア、虫刺されケアに力を発揮する、ラベンダー・スピカ精油をご紹介いたします。
風邪やインフルエンザが流行る季節、周りに咳やくしゃみをしている人がいる。
うつりたくない!
肌にニキビ、吹き出物がでちゃった。
蚊や虫にさされちゃって、かゆい!
そんなときはラベンダー・スピカ精油の出番です。
同じラベンダーの名を持ちながら、アングスティフォリアとは異なる成分構成を持ち、感染に対してより力強く働きかけてくれる精油です。
スッキリとしたハーバルな香りとともに、心と身体を整えてくれる一本です。
この記事ではラベンダー・スピカ精油の作用や使い方、注意点まで詳しくお伝えいたします。
精油プロフィール
- 学名:Lavandula spica
- 科名:シソ科
- 抽出部位:花穂
- 抽出方法:水蒸気蒸留法
- 主な産地:スペイン、フランスなど
植物としての特徴
ラベンダー・スピカはシソ科の多年草で、地中海沿岸を原産とする植物です。
ラベンダー・アングスティフォリアと同じラベンダーの仲間ですが、より低地で育ち、葉が広く茎も太いのが特徴です。
スピカ(Spica)はラテン語で「穂」を意味し、花穂が穂状に伸びる様子からその名がつけられたとされています。
また、かつてはアスピック(Aspic)とも呼ばれていましたが、これはラテン語のアスピス(毒蛇)に由来します。
古くから地中海沿岸では、蛇に噛まれた時の救急薬として伝統的に用いられてきた歴史を象徴しています。
アングスティフォリアよりも強く、ハーバルな香りを持つのが特徴で、含まれる成分構成も大きく異なるため、メディカルアロマでは使用目的が全く異なります。
この植物から水蒸気蒸留法で抽出したものがラベンダー・スピカ精油です。
歴史や文化背景
ラベンダー・スピカは古くからヨーロッパの民間療法で活用されてきた植物です。
特にスペインやフランス南部では、昆虫の刺し傷や皮膚の炎症、筋肉のこわばりなどの日常の様々なトラブルに対して伝統的に用いられてきた歴史があります。
「アロマテラピー」という言葉を作ったフランスの化学者、ルネ=モーリス・ガットフォセが火傷のケアにラベンダーを使ったという有名なエピソードがあります。
その時に使われたのがこの「スピカ」だったという説が現在では非常に有力なのです。
メディカルアロマテラピーの分野では、抗感染作用と免疫調整作用の高さが注目されており、感染症ケアや皮膚トラブル、虫刺されケアへの活用が広く知られています。
香りの特徴
ラベンダー・アングスティフォリアと比べると、よりシャープでハーバル感の強い香りです。
ユーカリ・ラディアタに似たス~っとした清涼感と、樟脳(カンファ)の少しツンとした香り。
そこにラベンダーアングスティフォリアと共通した成分、リナロールのほんのり甘く優しい香りが加わっているのが特徴です。
この、ラベンダー・スピカの爽やかで、ほんのり優しい香りは、気分をリフレッシュさせ、頭をクリアにしてくれます。
アングスティフォリアより清涼感のある薬草らしい香りが特徴です。
芳香成分類と主な作用(多い順)
モノテルペンアルコール類(リナロールなど)
- 抗感染作用(抗ウィルス作用、抗菌作用など)
- 免疫調整作用
酸化物類(1,8-シネオールなど)
- 抗感染作用(抗ウイルス作用、抗菌作用など)
- 免疫調整作用
- 去痰作用
- 呼吸器サポートなど
ケトン類(カンファーなど)
- 脂肪溶解作用
- 傷を修復する作用など
これらの成分により、感染症予防や感染性の皮膚トラブルのケア、免疫力サポート、虫刺されケアなどに役立ちます。
ラベンダー・スピカ精油の禁忌・注意事項
ケトン類(カンファー)を含む精油のため、神経毒性や流産を引き起こしてしまう可能性があるので、以下の禁忌があります。
妊娠中・授乳中の方、乳幼児、てんかんの方、神経系に疾患のある方、ご高齢の方への使用は避けてください。
皮膚に使用する場合は、必ず植物油などで希釈して使用してください。
敏感肌の方は事前にパッチテストを行うことをおすすめします。
長期・高濃度での使用は避け、適切な希釈濃度を守ってお使いください。
NARDアロマスクール認定校の講師からのコメント
ラベンダー・スピカは、感染症対策から皮膚ケアに活躍してくれる精油です。
モノテルペンアルコール類と酸化物類をしっかり含んでいるので、風邪の季節の芳香浴や、感染性の皮膚トラブルへのケアに心強い存在です。
私が何度も助けられたのが、虫刺されへの使い方です。
アロマテラピーに出会う前は蚊に刺されの後、何度もぶり返すかゆみに耐え切れず、かき壊してしまい、いつまでも治らないことがよくありました。
皮膚科にいって、お薬を出してもらうこともありました。
アロマテラピーに出会ったあとは、このラベンダー・スピカのおかげで、回復が早くなりました。
やぶ蚊に刺されたとき、何に刺されたかわからないけどかゆみがぶり返すとき、しこりが残っているときなどに、助けられました。
また、ニキビなど皮脂が詰まった肌のトラブルにも役立ってくれています。
ナードアロマテラピー協会の講師仲間はハチに刺されたときに使って、とても良かったと話してくれていました。
アングスティフォリアとは似て非なる存在。
感染ケアをメインにニキビ・吹き出物などの肌トラブル、虫刺されにも役立つ、頼もしい精油です。
ラベンダー・スピカ精油の使い方
ラベンダー・スピカ精油は、芳香浴・スプレー・トリートメントオイルなど幅広く活用できます。
感染症対策や皮膚ケアに役立つレシピをご紹介します。
風ら花おすすめレシピ
感染予防アロマスプレー
- ラベンダー・スピカ 2滴
- ユーカリ・ラディアタ 2滴
- ティートゥリー 2滴
- 乳化剤 数滴
- 精製水 20ml
【作り方】
- 精油をビーカーに必要滴数入れてブレンドします。
- 1.に乳化剤を入れて混ぜます。
- 2.に精製水を入れて混ぜます。
- 20mlのスプレー瓶に入れてよく振って使います。
【使い方】
よく振ってから、空間やマスク、ハンカチなどにスプレーしてください。
虫刺されケアジェル(1回分)
- ラベンダー・スピカ 3滴
- ラベンダー・アングスティフォリア 2滴
- ジェル(ex.ケンソージェルナチュレ) 5ml
【作り方】
- ジェルを5mlはかります。
- 1.に精油を入れてガラス棒で混ぜます。
【使い方】
虫に刺された部分に塗布してください。
かゆみがぶり返すときやしこりが残っている箇所に、やさしくなじませてください。
まとめ
ラベンダー・スピカ精油は、感染症対策と皮膚ケアの両面で力を発揮してくれる精油です。
モノテルペンアルコール類と酸化物類を豊富に含み、抗感染・免疫調整・呼吸器サポートなど日常のセルフケアに幅広く役立ちます。
同じラベンダーの名を持つアングスティフォリアとは成分構成が異なるため、目的に合わせて使い分けることで、メディカルアロマの実践の幅がぐっと広がります。
ケトン類を含む精油ですので、使用量と対象に気をつけながら、正しい方法で取り入れていただければと思います。
【品種の異なるラベンダー記事】
【風邪予防に役立つ精油記事】
メディカルアロマをもっと知りたい方へ
精油の心地よい香りを楽しむことで、自律神経やホルモン、免疫の働きにも影響を与え、心と身体のバランスを整える力を持っています。
さらに植物の成分を理解することで、薬を使う一歩手前のケアとして、日々の暮らしの中でとても頼もしい存在になります。
風ら花では、精油を香りとして楽しむ使い方と、成分と作用から理解する「メディカルアロマ」としての使い方の両方から、精油を丸ごと有効活用する方法をお伝えしています。
自己流だと、どうしても判断に迷って、濃度を控えめにしてしまいがち。
疑問をその場で確認しながら学ぶことで、精油の力を安心して引き出せるようになります。
精油が、より深く、あなたの暮らしに応えてくれるようになります。




