
くさいにおいを良い香りに変える「ペアリング法」とは
神戸新聞によると、新明和工業がシキボウ・山本香料・凸版印刷と共同で、ごみ収集車の生ごみ臭をフルーティな香りへと変える臭気対策剤「デオマジック 香り de まじっく」を6月上旬に発売すると発表したそうです。
この開発に使われたのが、悪臭を良い香りの構成要素として調和させる「ペアリング」という技術です。精油ブレンドの考え方とも共通する点が多く、アロマの視点から見ても大変興味深い方法です。
感覚的消臭法の種類
感覚的消臭法は嫌なにおいをよい香りを使って、感覚的に感じないようにする方法です。
感覚的消臭法には以下の2つがあります。
マスキング法
良い香りで悪臭を覆い、嗅覚的に感じにくくする方法です。
化粧品原料のにおいを隠すためにも使われ、アロマでは体臭対策やルームスプレー作りにも活用されます。
実際に風ら花では「ご主人の加齢臭が気になる」というお客様がスプレーを作りに来られた例がございます。
ペアリング法
今回の商品開発にも活用された方法で、悪臭を香りの一部として扱い、他の香りと調和させて全体を心地よい香りに変える手法です。
香りは単体では不快でも、他の香りと合わせることで印象が変わることがあります。
香水にも、単体では強すぎる香りが微量で使われています。
今回の商品「デオマジック 香り de まじっく」は予め、臭いと感じる臭いを除いておいて、生ごみの悪臭と混ざると良い香りと感じるように考えられて配合した商品だそうです。
その他の消臭法
感覚的消臭法のほかにも、悪臭対策には次の方法があります。
・化学反応で悪臭を中和する化学的消臭法
・炭などで臭気成分を吸着する物理的消臭法
・雑菌の繁殖を抑える生理的消臭法
精油には抗菌・抗ウイルス・抗真菌作用のあるものが多く、アロマテラピーでもこれらの方法を応用できます。
精油ブレンドで香りが変わる理由
強い香りも微量なら癖になる
香りの印象は比率によって大きく変わります。
スパイクナードという精油は、単品だと動物の大衆の様な生臭い強い香りなのですが、使用量を1滴に抑えると深みのある魅力的な香りに変化します。
苦手な香りもブレンドで好きになる
イランイランのように個性の強い精油も、柑橘系と合わせることで柔らかく感じられることがあります。
もちろん、苦手な香りを無理に使うことはありません。
クラリセージを使ったブレンド例
単品ではそれほそ好きではなくても、ブレンドすると好きになることも。
- カモマイル・ローマン 1滴
- クラリセージ 1滴
- オレンジ・スィート 2滴
サイプレスやジュニパーを使ったブレンド例
単品では好まれない香りも、柑橘やユーカリ系と組み合わせることで受け入れやすくなります。
- リトセア 1滴
- ユーカリ・ラディアタ 2滴
- サイプレス 1滴(またはジュニパー1滴)
まとめ
精油を使った悪臭対策では、雑菌を抑える作用のある精油を使いながらマスキングを組み合わせると効果的です。
また、苦手な香りでも比率やブレンドを工夫することで心地よい香りへ変わることがあります。
ポイントは「苦手な香りは少量で、ほかの香りで全体を整える」ことです。
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