代替療法としてのアロマテラピーの役割


漢方素材が並んだ木製トレイ。代替療法や植物療法のイメージ写真。

代替療法とは?

代替療法とは、現代の西洋医学以外の療法の総称です。
ハーブ療法、アロマテラピー、鍼灸、漢方、ホメオパシーなど、自然が持つ力を活かして身体の調整を図るものが多く含まれます。

「身体に優しそう」というイメージを持つ方もいれば、
代替療法のみを選択して命に関わったニュースの印象から、
「胡散臭い」「効果が弱い」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。

アロマテラピーも自然療法のひとつです。
薬剤師の母のもとで育った経験と、自然療法を伝える講師として、
私はどちらにも偏らず、公平な視点でお伝えしたいと考えています。

西洋医学と代替療法、それぞれの得意分野

西洋医学と代替療法には、それぞれ得意分野があります。
体質や状況によって、どの方法が適しているかは異なります。

西洋医学と植物療法の歴史

18世紀の化学技術が発展するまでは、医療の中心は植物の薬草でした。

19世紀になると、薬草から有効成分を分離し薬として使用できるようになり、その後、自然物と同じ効果を持つ成分を合成できるようになり、
“新薬”が誕生します。

新薬は即効性があり、救えなかった命が救われる大きな進歩となりました。

この流れから、西洋医学が医療の主流となり、植物療法は下火になります。

しかし、歴史が長くなるにつれ、薬の長所だけでなく短所も明確になってきました。

副作用、免疫への影響、体質差による反応の違いなどが分かってきたことで、「できるだけ薬を使いたくない」という人が増え、植物療法であるアロマテラピーが再び見直されるようになっています。

私のスクールにいらっしゃる方の多くも、このような背景から学びに来られています。

私自身も、薬の副作用が強く出ることから、薬に頼りすぎずに健康を維持したいという思いから、メディカルアロマに出会い、風邪の予防、頭痛や肩こりなどの不調を自然の力で整えてきたという経験があります。

アロマテラピーも、使い方を誤れば危険がありますが、安全な使い方を守っていれば副作用はほとんどなく、免疫を下げたり細胞を傷つけたりすることはありません。

アロマテラピーだけで全てが解決するのか?

精油ボトルとキャリアオイル、計量器具などアロマテラピーに使用する道具がトレーに並んでいる様子

もちろん、アロマテラピーや他の自然療法ですべての症状が改善するわけではありません。

歴史を振り返ると、植物療法で足りない部分があったからこそ新薬が生まれ、そして今、自然療法が再評価されているという流れがあります。

西洋医学とアロマテラピーの上手な付き合い方

「代替療法で命が救えなかったから、西洋医学が正しい」
という0か100かの判断ではなく、双方の長所と短所を理解し、補いあうことが大切だと考えています。

・命に関わる、急を要する場合 → 西洋医学
・日常の予防、メンタルケア、免疫バランスの維持、軽い不調 → アロマテラピー

どちらか一方を排除するのではなく、
「身体に負担をかけないために、状況に応じて選べる知識を持つこと」
それが本来の健康管理だと思うのです。

アロマテラピーの得意分野は

  • 免疫を整える、予防として使える
  • ちょっとしたケガや家庭の救急箱の代わりになる
  • メンタルのケアができるなど

日常で役立つ使い方がたくさんあります。

あなた自身の“選択の軸”を持つこと

一人でも多くの方が、自分の身体とどう向き合うかを考えるきっかけになれば嬉しく思います。

普段から「自分はどう考えるのか」という軸を持っておけば、
いざというときに医師と相談しながら、あなた自身や大切な人のために、よりよい選択ができるはずです。

あなたの身体の健康は、他の誰でもなく、あなた自身が守るもの。
そのための知識を身につけていただければ幸いです。

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