ミカン科の果皮から圧搾抽出した柑橘系の
精油は日本人にはなじみがあって、人気がある香りですね。
ミカン科の果皮の精油はたくさんの種類があります。
オレンジ・スィート、オレンジ―・ビター、マンダリン、ベルガモット
グレープフルーツ、レモン。
アロマ初心者さんから、よく頂く質問があります。
オレンジ・スィート、オレンジ・ビター、マンダリンはどう違うの?
このご質問には2つの意味があります。
その元となる植物の違い
そして、精油成分による効果の違い。
精油成分や使い方に詳しい方でも
その元となる植物については意外とご存知なかったりしませんか?
植物の違い、精油成分による効能の違いその両方が分かると
精油を生かしきることができるようになります。
今回の記事ではまず、3種類の植物の違いについてご紹介して参りたいと思います。
長くなってしまうので精油成分による作用の違いは別記事に分けました。
オレンジ・ビター、オレンジ・スィート、マンダリン精油の違い2
オレンジ・スィート、オレンジ・ビター、マンダリンの植物の違い
よく食しているオレンジはオレンジ・スィートの種類
オレンジスィートの植物学名は「Citrus sinensis」
植物学名とは世界共通の植物につけられた名前です。
共通の名前があると、植物を特定できて、分かりやすいですよね。
普通、私達が食べている、オレンジはオレンジ・スィートの種類です。
オレンジ(バレンシアオレンジ)、ネーブルオレンジ、ブラッドオレンジなどです。
和名はアマダイダイ(甘橙)。
オレンジ・スィートの木の特徴は常緑樹。
1年中、葉が緑の状態です。
オレンジ・ビターに比べると耐寒性が劣ります。
樹高はビター・オレンジに比べると小さい。
そして、木質は堅く、トゲは少ない。
果実は一般的には小さい。
果実の味は果肉が甘く、袋にも苦みがありません。
だから、スィートがつくのですね。
原産地はインド・アッサム。
そして、ヒマラヤを越え西北から揚子江沿岸に広まったと言われています。
16世紀初頭、中国からヨーロッパへ伝わり、現在の地中海沿岸のオレンジの栽培の基礎となりました。
オレンジというと、今は、地中海沿岸というイメージしますよね。
元々はインドでその後、中国から地中海に伝わったのですね。
日本でも静岡から九州・沖縄で見られます。
植物の歴史や特徴を知って、植物の形をイメージしてみて下さい。
イメージしながら精油を使うと、より深みが出てきませんか?
寒さにちょっと繊細なんだな・・・とか
実はちょっと小さいんだな・・・とか
甘いからスィートで優しいんだな・・とか
そうすると、精油がより生きてきますね。
本領発揮してくれると思います。
人間だって、自分の性質とか特徴を理解されずに接せられるより
○○さんはこういうの好きだよね?とか
こういうのが得意だよね?と理解された方が嬉しいですよね?
オレンジ・ビターは長いトゲがあって、10m以上になる木も!苦い実
世界共通の植物学名は「Citrus aurantium」
和名はダイダイ(橙)
スィート種に比べれば、長くてさほど鋭くないトゲがある。
芳香の強い香りを持つ花(ネロリ)が咲く。
無毛の常緑樹で10m以上になる木もあります。
果実の味は果肉も皮も非常に苦くて、すっぱい。
他の柑橘系の樹木より植物病害に対して、抵抗力があります。
そのため、抵抗力のない他の柑橘系の接ぎ木用として使用されます。
原産はスイートと同じ、インド・アッサム。
現在はギニア、南ヨーロッパ、ブラジル、西インド諸島などです。
日本では伊豆諸島や和歌山県などが主産地です。
スィートオレンジよりも我慢強い。
そして、繊細なあなたをしっかりと根元で支えてくれそうな感じがしませんか?
ちなみに、オレンジビターの果皮から採れる精油が「オレンジ・ビター」
オレンジ・ビターのお花から採れる精油が「ネロリ」
オレンジ・ビターの葉っぱから採れる精油が「プチグレン」です。
この3種の精油は同じ植物から採れるのに、香りも効能も違います。
このお話はまた別の機会にご紹介致しますね。
私達が冬に食べるミカンはマンダリンの分類
世界共通の植物学名は「Citrus reticulate」
温州みかんやタンジェリンと同じグループに属します。
私達が冬に食べるミカンはマンダリンの分類です。
常緑樹。
高さ1.5~2.5mの低木です。
木質は堅く、頑丈なトゲがある丈夫な木です。
他の柑橘類より耐寒性に優れていますが、霜害を受けやすいです。
果実の特徴は果肉がはがれやすい。
欧米ではeasy peelers’やlose-skinned citrus’と呼ばれたこともあったそうです。
果実の大きさはスィートに比べると小さいです。
味は適当な酸味と芳醇なフレーバーが特徴です。
原産はインドまたは中国と言われており、中近東を経て地中海、アメリカへと広がってきたと言われています。
主産地は地中海地方と北アフリカでしたが最近は南アフリカやアルゼンチンなどでも栽培されています。
亜熱帯~温帯および地中海性気候の地域に広く分布しています。
小さいけど、頑丈で強い!
そして、柔軟。
クラスに1人いませんでしたか?
小さいけど、頼りになって、親しみやすく、柔軟性に富んで優しい子♬
そんな雰囲気がこの植物の特徴からイメージできませんか?
あなたも植物の特徴からどんな子かな~?と
想像してみてくださいね。
まとめ
見やすく表にしてみました。
オレンジ・スィート | オレンジビター | マンダリン | |
学名 | Citrus sinensis | Citrus aurantium | Citrus reticulate |
和名 | アマダイダイ(甘橙) | ダイダイ(橙) | |
木の種類 | 常緑樹 | 常緑樹 | 常緑樹 |
木の性質 | ビターより耐寒性が低い | 病害に対して抵抗力あり | 耐寒性有、霜害を受けやすい |
樹高 | オレンジビターより小さい | 10m以上になる木も | 1.5~2.5mの低木 |
木質 | 硬い | 硬い | |
トゲ | 少ない | 長くて鋭くないトゲ | 頑丈なトゲ |
果実大きさ | 小さい | スィートより大きい | スィートより小さい |
果実味 | 甘い | 苦くて酸っぱい | 酸味と芳醇 |
原産 | インド・アッサム | インド・アッサム | インドまたは中国 |
現在の産地 | 地中海沿岸 | ギニア、南ヨーロッパ、ブラジル、西インド諸島 | 地中海地方、北アフリカ南アフリカ、アルゼンチン |
日本の産地 | 静岡から九州・沖縄 | 伊豆諸島や和歌山県 | |
その他 | 普段、食べている、オレンジはスィート・オレンジの種類 | 抵抗力のない他の柑橘系の接ぎ木用として使用されます | 冬に食べるミカンはマンダリンの分類 |
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<参考図書>
ナードジャパン会報誌 ケモタイプアロマテラピー 48号、71号
NARDケモタイプ精油辞典
NARD JAPAN アロマニュース
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