
横浜アロマスクール【風ら花】がお届けする精油辞典シリーズ。
今回ご紹介するのは、ローズマリー・カンファー精油です。
ローズマリーは同じ学名の同じ品種であっても、産地や環境によって精油の成分構成が異なります。
そのため、精油メーカーによっては成分分析を行い、「ケモタイプ(化学品種)」として区別しています。
成分が異なれば、身体への作用も違ってきます。目的に合ったローズマリーを的確に選べるのが、ケモタイプ精油のメリットです。
朝から身体がだるくて、頭もすっきりしない。 おまけに肩もこっていて、身体全体が重い。 そんな日が続いていませんか。
そんなときに力を貸してくれるのが、ローズマリーのケモタイプのなかでも筋肉へのアプローチが得意な、ローズマリー・カンファーです。
筋肉弛緩作用があり、肩こりでぎゅっと凝り固まった筋肉をほぐしてくれます。
この記事では、ローズマリー・カンファー精油の効能や使い方、注意点まで詳しくご紹介します。
精油プロフィール
- 学名:Rosmarinus officinalis ct. camphor
- 科名:シソ科
- 抽出部位:花と茎葉
- 抽出方法:水蒸気蒸留法
- 主な産地:フランス、スペイン
植物としての特徴
ローズマリーはシソ科の常緑低木で、地中海沿岸を原産とする植物です。
細長い葉を持ち、青紫色の小さな花を咲かせます。
乾燥した土地でも力強く育つ生命力のある植物として知られています。
ローズマリーにはいくつかのケモタイプ(化学品種)があり、同じ植物でも育つ環境や地域によって含まれる成分の比率が異なります。
ローズマリー・カンファーは、カンファー(樟脳)を多く含むケモタイプで、スペインなどの高地で多く見られます。
筋肉弛緩作用があるのが特徴で、他のローズマリーのケモタイプとは異なる用途で活用されます。
歴史や文化背景
ローズマリーは古代ギリシャ・ローマの時代から、記憶力や集中力を高めるハーブとして親しまれてきました。
学生が試験のときに頭に飾ったり、葬儀の場で故人を偲ぶために使われたりと、「記憶」と深く結びついた植物として文化の中に根付いてきた歴史があります。
中世ヨーロッパでは薬草として広く用いられ、ペストの流行時には空気の浄化に使われたという記録も残っています。
14世紀にはヨーロッパ最古の香水といわれる「ハンガリーウォーター」の主原料としても知られています。
ハンガリーの王妃がそれを使ったところ、70歳を過ぎていたにもかかわらず求婚されたと伝えられており、「若返りの水」とも呼ばれ、美容や医療の両面で長く重宝されてきました。
香りの特徴
ハーバルでシャープで爽やかな香りです。
他のケモタイプのローズマリーにくらべると少しツンとした香りがします。
集中力を高めたいとき、眠気を払いたいとき、頭をスッキリさせて、気持ちを切り替えたいときにおすすめです。
芳香成分類と主な作用(多い順)
モノテルペン炭化水素類(α-ピネンなど)
- うっ滞除去
- 抗炎症作用など
酸化物類(1,8-シネオールなど)
- 免疫調整
- 去痰作用
- 呼吸器サポートなど
ケトン類(カンファーなど)
- 脂肪溶解作用
- 瘢痕形成作用(お肌の傷を早く整える働き)
- 筋肉弛緩作用
これらの成分により、筋肉のこわばりをほぐすことで肩こりをケアし、むくみを改善することでダイエットをサポート、さらに呼吸器のケアにも役立ちます。
ローズマリー・カンファー精油の禁忌・注意事項
ローズマリー・カンファーは神経毒性、堕胎作用のあるケトン類を多く含むため、禁忌がある精油です。
乳幼児、妊娠中の方、授乳中の方、てんかんの既往がある方、ご高齢の方、神経系が弱い方への使用はお控えください。
皮膚に使用する場合は必ず植物油で希釈してください。
NARDアロマスクール認定校の講師からのコメント
ローズマリーは午前中のご予約のお客様で、トリートメント後も活動される予定があり、元気になりたいというご要望をいただいたときに、提案させていただくことが多い精油です。
風ら花でご用意しているローズマリーのケモタイプはローズマリー・カンファー、ローズマリー・シネオール、ローズマリー・ベルベノンの3種です。
お客様にこの3種の香りを嗅いでいただき、お好みのケモタイプを選んでいただいているのですが、肩こりがある方はローズマリー・カンファーを選ばれることがよくあります。
みなさま、本能的に自分に必要な精油をご存じなのだなと、いつも実感いたします。
香りが最初に届く脳の場所は、理性よりも本能の部分です。
私はお客様のご要望にあった精油を色んな視点からご提案いたしますが、最終的にはお客様ご自身が一番よくご存じだと思っているので、選んでいただくようにしています。
現代は視覚情報があふれていて、自分で感じるよりも先に情報で判断してしまいがちかもしれません。
だからこそ、嗅覚を刺激することには大きな意味があると感じています。
香りを通じて、自分だけの感覚を取り戻すことができる。
それがアロマテラピーの、目に見えない大切な恩恵のひとつではないかなと思います。
ローズマリー・カンファー精油の使い方
ローズマリー・カンファー精油は、芳香浴やトリートメントオイルなどで活用できます。
集中力アップや筋肉ケアに役立つレシピをご紹介します。
風ら花おすすめレシピ
集中力アップ芳香ブレンド
- ローズマリー・カンファー 1滴
- ユーカリ・ラディアタ 2滴
- レモン 3滴
【使い方】
アロマディフューザーやアロマストーンに垂らして、仕事や勉強のお供にお使いください。
筋肉ケアトリートメントオイル(1回分)
- ローズマリー・カンファー 1滴
- リトセア 2滴
- ホホバ油 5ml
【作り方】
- ビーカーに精油を必要滴数入れてブレンドします。
- 1.にホホバオイルを入れて混ぜます。
【使い方】
気になる筋肉部位に少量を手に取り、やさしくなじませるようにトリートメントしてください。
まとめ
ローズマリー・カンファー精油は、集中力を高めたい時や肩こりなどの時に役立つ精油です。
ケトン類を含むため使用上の注意は必要ですが、正しく扱えば本当に頼もしい一本です。
ケモタイプではない精油を使用する際は成分構成が明確ではないため、芳香浴での使用が安全です。
皮膚への使用をされる場合は、できるだけケモタイプ精油を選び、安全に使用されることをおすすめいたします。
【ケモタイプの他のローズマリー】
- ローズマリー・シネオール
- ローズマリー・ベルベノン
メディカルアロマをもっと知りたい方へ
精油の心地よい香りを楽しむことで、自律神経やホルモン、免疫の働きにも影響を与え、心と身体のバランスを整える力を持っています。
さらに植物の成分を理解することで、薬を使う一歩手前のケアとして、日々の暮らしの中でとても頼もしい存在になります。
風ら花では、精油を香りとして楽しむ使い方と、成分と作用から理解する「メディカルアロマ」としての使い方の両方から、精油を丸ごと有効活用する方法をお伝えしています。
自己流だと、どうしても判断に迷って、濃度を控えめにしてしまいがち。
疑問をその場で確認しながら学ぶことで、精油の力を安心して引き出せるようになります。
精油が、より深く、あなたの暮らしに応えてくれるようになります。




