
琥珀のでき方──気の遠くなるような年月をかけて生まれた化石
先日、お世話になっている方からスマトラ沖産の「琥珀」をいただきました。
手のひらに乗せると石のように硬い琥珀ですが、もともとは樹木から分泌された樹脂が固まった化石です。
私の手元にあるものは、およそ100万年前につくられた若い琥珀(正確には「コーパル」)。
しかし、古いものになると 3億年前・6000万年前・3500万年前 の琥珀も存在しています。
地球の誕生は約46億年前
光合成を行う生物の出現が約27億年前
人類の祖先は約200万年前…
そう考えると、琥珀が生まれたのは「まだ人類が存在していない時代」
地球にどんな景色が広がっていたのかを想像するだけで、とても神秘的です。
硬い琥珀を眺めながら
「どんな樹木から流れた樹脂だったのだろう?」
「どれほどの高さの木だったのか?」
そんな想像が尽きません。
琥珀を形成する成分は長い年月をかけて、樹脂の芳香成分は揮発して無くなり、「炭化水素」成分が固まってできたものですが
私がいただいたコーパルは樹脂成分がまだ若いため、指先で温めながら擦ると、まだ、ほんのりと樹脂の香りが立ち上がります。
100万年前の植物の香りを感じられる── その事実だけで、胸が震えるようなエネルギーを感じます。
琥珀のエネルギー的な働き
樹木は傷ついたとき、傷口をふさぐために樹脂を分泌します。
そのため樹脂は 「傷を癒す」 というエネルギーがあると言われています。
樹脂から抽出される精油
- ミルラ
- フランキンセンス
- ベンゾイン
なども心の深い部分の癒しに用いられますが、琥珀も同じ性質を持っています。
琥珀の元の樹脂ですので、同じような働きがあるのではないかと思います。
また、琥珀には
- マイナスエネルギーの浄化
- プラスへの変換
といった働きがあるとも言われ、心が疲れたときには胸に置いたり、手のひらで握ってみようかなと思います。
人類と琥珀──歴史的な使われ方
現代ではアクセサリーとしての印象が強い琥珀ですが、歴史を辿ると 医療的な用途 で使われてきています。
海外の歴史
古代ギリシャの医師・ヒポクラテスの記述には、医療目的の使用が書かれています。
また、古代ローマでは喉の不調や胃腸のケアに利用されたそうです。
日本の歴史
日本でも旧石器時代にはすでに琥珀が存在しており江戸時代には
- お香
- 線香
- 塗料
- 医薬品
として活用されていました。
明治・大正では船舶のサビ止め塗料
昭和の戦時中にはレーダーの絶縁体や軍艦の塗料
さらには、燃やして蚊取り線香の代わりに使われたことも。
医療用途としては、琥珀を患部に当てたり、粉末にして飲んだりしながらゼンソク・関節炎などに民間薬として用いられてきました。
長い年月をかけて生まれた、再生不可能な地球の贈り物。
それを“消耗品”として使っていたなんて、今の感覚からすると少し切ないほどです。
科学と直観──現代と古代の違い
バルト海産の琥珀には「コハク酸」が含まれ
- がん増殖抑制
- 美肌
- 脂肪燃焼
などの働きが科学的にも報告されています。
日本の美容界で有名な山野愛子さんのお孫さま、山野幹夫さんの著書
『琥珀革命 健康で美しくなる』
でも、その美容・健康効果が紹介されています。
郷ひろみさんも愛用されているそうですよ。
ただ、古代の人々は科学的な分析ができなかったにもかかわらず、琥珀を医療として活用していました。
科学が進むほど、人間の「感じる力」や「直観」が失われていく気がします。
昔の人々の感性には、学ぶ点がたくさんありますね。
おわりに──植物と琥珀とアロマのつながり
琥珀について調べるほど、植物の歴史やアロマテラピーの原点にもつながり、とても興味深く感じました。
私は興味を持ったら深堀りせずにはいられない性質なので(笑)
今後も、琥珀の歴史や世界各地での使用用途について学び続け、分かったことを追記していこうと思います。
琥珀に興味がある方は、
『琥珀(飯田孝一/宝石のほんシリーズvol.1)』
もおすすめです。
手元にある100万年前のコーパルは、これから大切に“大地のお守り”のように扱っていきたいと思います。




