
横浜アロマスクール【風ら花】がお届けする精油辞典シリーズ。
今回は、心の深い傷やショックをやさしく癒し、内側から再生へと導いてくれる「ミルラ」をご紹介いたします。
誰かの何気ない一言に、思いのほか深く傷ついてしまう。
言葉は時に刃物のように、心に深く刻まれてしまうことがあります。
そんな時、あなたはどう自分をケアしていますか?
ミルラは、樹木に傷がついたとき、その身を修復するために分泌される樹脂です。
そのしずくから抽出された精油は、心の傷の隙間を埋めるように癒してくれます。
そして、その「修復する力」は、心だけでなくお肌にも。
乾燥肌やあかぎれなど、ダメージを受けたお肌のケアにも役立つとても頼もしい存在です。
この記事では、ミルラという植物の特徴から精油の効能、そして具体的なブレンド処方まで、日々のケアに活かせる形でご紹介いたします。
精油プロフィール
- 学名:Commiphora molmol (Commiphora myrrhaとも表記されます)
- 科名:カンラン科
- 抽出部位:樹脂
- 抽出方法:水蒸気蒸留法
- 主な産地:インド、ソマリアなど
植物としての特徴
ミルラは乾燥地帯に自生する低木で、樹皮に傷がつくと樹脂を分泌します。
この樹脂が固まったものが「ミルラ(没薬)」と呼ばれ、古くから貴重な薬用資源として扱われてきました。
過酷な環境の中で生き抜く植物であり、この植物自身を守るための力が、精油の作用として人間にもそのまま反映され、生命力を高めてくれます。
歴史や文化背景
ミルラは古代エジプトや中東地域で非常に重要な存在でした。
ミイラの防腐処理に使われたり、宗教儀式で焚かれる香として使われたりと、フランキンセンスとともに神聖なものとして扱われてきました。
また、キリスト誕生の際に捧げられた贈り物のひとつとしても知られています。
古くから「癒し」「再生」「浄化」を象徴する植物として、大切にされてきた歴史があります。
香りの特徴
温かみのあるスモーキーで樹脂的な香り。
やや苦味を感じる重厚な香りが、心を内側に向け、深い落ち着きをもたらします。
芳香成分類と主な作用(多い順)
セスキテルペン類+(プラス)(クルゼレンなど)
・強壮作用など
セスキテルペン炭化水素類-(マイナス)(β-エレメン)
・抗炎症作用など
これらの成分により、皮膚の荒れの修復、炎症ケアに役立ちます。
※セスキテルペン炭化水素類にはプラスとマイナスの種類があり、どちらの成分かによって作用が逆の働きになります。
ミルラ精油の禁忌・注意事項
注意して使用すれば、特に大きな禁忌はない精油ですが、皮膚に使用する場合は必ず植物油で希釈してください。
敏感肌の方は、事前にパッチテストを行うことをおすすめします。
NARDアロマスクール認定校の講師からのコメント
ミルラ精油は非常に粘度が高い精油のため、ふたが固まりやすく、開かなくなりやすい精油です。
また、沸点も低いため発火性が高く、その点には注意が必要です。
風ら花を立ち上げて間もない頃、自宅でミルラ精油の外ぶたを開けようとした際、ドロップ式の内ぶたも一緒にはりついて開いてしまい、そのままうっかり傾けたことで、ボトルの半分ほど(約5ml)がティッシュに付いてしまったことがあります。
そのティッシュを枕元に置いて就寝したところ、朝、煙臭さで目が覚めました。
見ると、足元の畳から煙が上がっていました。
急いで対応し大事には至りませんでしたが、通常の使用量では起こらないことでも、量が多かったり、摩擦などの条件が重なることで、このように火災につながる可能性があります。
十分に気をつけてご使用ください。
精油の使い方としては、乾燥肌に大変効果的で、リップクリームやハンドクリームなどに活用しています。
また、ショックな出来事があったときの心のケアにも有効です。
トリートメントでミルラを選ばれるお客様がいらっしゃると、心が大きくお疲れなのかもしれないと感じ、いつも以上に寄り添うようにトリートメントさせていただいています。
精油の中では数少ない持続時間の長い精油(ベースノート)ですので、香水作りにも活用しています。
ミルラ精油の使い方
ミルラ精油は、芳香浴やスプレー、スキンケア、トリートメントオイルなどに適しています。
乾燥ケアや心身の回復を目的とした使い方がおすすめです。
風ら花おすすめ処方
ショックから立ち直るためのアロマスプレー
・ミルラ 1滴
・ホーウッド 3滴
・カモマイル・ローマン 1滴
・乳化剤 数滴
・精製水 20ml
【作り方】
1.精油をビーカーに必要滴数入れてブレンドします。
2.1に乳化剤を入れて混ぜます。
3.2に精製水を入れて混ぜます。
4.20mlのスプレー瓶に入れてよく振って使います。
【使い方】
よく振ってから、空間や枕元などにスプレーしてください。
乾燥した唇のためのリップクリーム
・ミルラ 1滴
・ゼラニウム・エジプト 2滴
・イランイラン 1滴
・シアバター 10g
【作り方】
1.シアバターを10g計量して容器に入れます。
2.1に精油を必要滴数入れ、ガラス棒などでよく混ぜてブレンドします。
【使い方】
乾燥した唇に少量なじませてください。
まとめ
ミルラ精油は、心身の深い部分に働きかけ、傷ついた心を回復へと導く精油です。
失恋や離婚など、別離のショックを受けたときのケアにも役立ちます。
ミルラの深い精油の香りに触れることで、内側から生命力がよみがえり、安定した心を取り戻す助けとなることでしょう。
香りの持続時間が長く、特徴のある精油ですので、香りを確認しながら、日常のセルフケアに取り入れてみてください。
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メディカルアロマをもっと知りたい方へ
精油の心地よい香りを楽しむことで、自律神経やホルモン、免疫の働きにも影響を与え、心と身体のバランスを整える力を持っています。
さらに植物の成分を理解することで、薬を使う一歩手前のケアとして、日々の暮らしの中でとても頼もしい存在になります。
風ら花では、精油を香りとして楽しむ使い方と、成分と作用から理解する「メディカルアロマ」としての使い方の両方から、精油を丸ごと有効活用する方法をお伝えしています。
自己流だと、どうしても判断に迷って、濃度を控えめにしてしまいがち。
疑問をその場で確認しながら学ぶことで、精油の力を安心して引き出せるようになります。
精油が、より深く、あなたの暮らしに応えてくれるようになります。




