
横浜アロマスクール【風ら花】がお届けする、精油の深い魅力に迫るシリーズ。
今回は「しわ・たるみの美肌ケア」と「呼吸を深く整える」精油として知られる、フランキンセンス精油をご紹介いたします。
ふと鏡を見たときに気になる肌の変化や、忙しさの中でいつの間にか浅くなっている呼吸……。
日々の生活の中で、知らず知らずのうちに、肌も心も乾きを感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
フランキンセンスは、古代から神聖な場で大切に扱われてきた、人間と長い歴史をともにしてきた植物です。
エジプトの神殿で焚かれ、祈りや儀式の中で用いられてきたこの精油は、
現代を生きる私たちにとっても、乱れがちな呼吸を静かに整え、内側の静けさへと導いてくれます。
また、肌の再生をサポートする働きから、エイジングケアにおいても欠かせない精油のひとつです。
この記事では、フランキンセンス精油の特徴や背景から、
「しわ・たるみ」のスキンケアや呼吸を整えるためのブレンド処方までお伝えいたします。
植物が持つ穏やかで芯のある力を、ぜひ日々のセルフケアに取り入れてみてください。
精油プロフィール
- 学名:Boswellia carterii
- 科名:カンラン科
- 抽出部位:樹脂
- 抽出方法:水蒸気蒸留法
- 主な産地:ソマリア、スペインなど
植物としての特徴
フランキンセンスは乾燥した岩山に生育する樹木で、樹皮に傷をつけると乳白色の樹脂がにじみ出てきます。
この樹脂が空気に触れて固まったものが古くから香として利用されてきた「乳香」です。
過酷な乾燥地帯でも力強く生きる植物で、その生命力の強さが精油にも反映されていると感じる方も多い精油です。
この樹脂を水蒸気蒸留することでフランキンセンス精油が得られます。
歴史や文化背景
フランキンセンスは古代文明の時代から非常に価値の高い芳香植物でした。
古代エジプトでは神殿で焚かれ、
宗教儀式やミイラの防腐にも使用されていました。
また新約聖書では、
東方の三賢者がキリスト誕生の際に贈った贈り物の一つとしても知られています。
古代から人々は、この香りが
「精神を整え、神聖な状態へ導く」と感じていたのでしょう。
香りの特徴
落ち着いたウッディ調の中に、ほのかな甘さと、わずかな苦みを感じる香りと一般的には言われています。
けれども個人的には、そのような単純な印象ではなく、
深く神秘的で、まるで異空間へと引き込まれるような感覚を覚える香りです。
まさに宗教儀式の場にふさわしい、静けさと神聖さをあわせ持つ印象があります。
また、フランキンセンスと一言でいっても、産地や学名の違いによって複数の種類が存在し、それぞれ香りにも違いがあります。
深くゆっくりと呼吸をしたくなるような香りで、気持ちのざわつきを鎮め、思考を落ち着かせてくれます。
瞑想やリラックスタイム、夜の静かな時間の芳香浴にもおすすめの精油です。
芳香成分類と主な作用
モノテルペン炭化水素類(α-ピネンなど)
- うっ滞除去
- 抗炎症作用
この成分の働きにより、血液やリンパの循環を促進し、肌の透明感やハリのサポートに役立ちます。
また、香りによって呼吸を深め、呼吸器系を楽にしながら、心の緊張をやわらげる働きも期待できます。
フランキンセンス精油の禁忌・注意事項
比較的穏やかな精油とされていますが、皮膚に使用する際は植物油で希釈して使用してください。
敏感肌の方は、事前にパッチテストを行うことをおすすめします。
また、精油は高濃度の芳香成分を含むため、過度な使用は避け、適量で使用しましょう。
NARDアロマスクール認定校講師からのコメント
フランキンセンスは、アロマテラピーに出会った初期のころの私にとっては、少し癖があり、やや苦手に感じる精油でした。
私がアロマテラピーに出会ったのは20代後半。
そして今は50代半ばとなり、長い年月の付き合いとなりました。
それとともに、受講生の方々も同世代の年齢層へと広がってきています。
そのような中で感じるのは、香りの好みもまた、人生の歩みとともに変化していくということです。
アロマに出会いたての頃は、柑橘のようなシンプルで分かりやすい精油を好み、経験を重ねるにつれて、より複雑で奥行きのある香りを好むようになっていく方が多いように感じます。
また、年齢を重ねるにつれて、深みのある落ち着いた精油に惹かれるようになる方も少なくありません。
もちろん、すべての方に当てはまるわけではありませんが、これまで多くの方と接してきた中で、そのような変化を感じてきました。
人の悩みは、年齢とともに少しずつ複雑になっていきます。
身体のこと、ご両親のこと、お子様のこと。
さまざまな要素が絡み合い、簡単にはほどけない想いを抱えることもあります。
そのような心の状態と、好む精油の傾向は、どこか共鳴しているのかもしれません。
フランキンセンスは、そうした内面のざわつきを静かに鎮め、意識を少し高い視点へと引き上げ、物事を俯瞰して見つめ直すような感覚をもたらしてくれる精油だと感じています。
また、フェイシャルトリートメントでは、循環が滞り、くすみが気になる肌に対して、フランキンセンスと同じくモノテルペン炭化水素類を多く含むジュニパーやサイプレスを使用することもあります。
ただ、これらは比較的、皮脂分泌が活発な肌質の方に向いている精油です。
エイジングケアでやさしく循環を促したい場合には、私はフランキンセンスをよくセレクトいたします。
心のケアと肌のケアを同時に支えてくれる、頼もしい精油です。
フランキンセンス精油の使い方
フランキンセンス精油は芳香浴・トリートメントオイル・スキンケアなどに活用できます。
呼吸を整えて、心を落ち着かせたいときや、肌のケアに役立つレシピをご紹介します。
風ら花おすすめ処方
呼吸を整え、心を落ち着かせる芳香浴
- フランキンセンス 1滴
- ホーウッド 2滴
- マンダリン 3滴
【使い方】
静かなご自身だけの空間を整えます。
ディフューザーやアロマストーンに上記の精油を垂らし、芳香浴を行います。
照明を少し落とし、ゆっくりと呼吸をしながら精油を感じてみてください。
必要に応じて、静かなヒーリング音楽を流すのもおすすめです。
エイジングケア用フェイシャル(1回分)
- フランキンセンス 1滴
- ゼラニウム・エジプト 1滴
- ローズヒップ油 5ml
【作り方】
- ビーカーに精油を入れてブレンドします。
- そこにローズヒップ油を加えてよく混ぜます。
- 遮光瓶などに入れて保存します。
【使い方】
洗顔後、お顔全体にやさしくなじませてください。
※ローズヒップ油は、植物油の中でもエイジングケアに役立つ一方で、酸化が早い特性があります。開封後はできるだけ早めに使い切るようにしてください。
まとめ
フランキンセンス精油は、呼吸を整え、心を落ち着かせる働きがある精油です。
また、スキンケアにも活用できるため、日常のセルフケアに取り入れやすい精油でもあります。
精油をゆっくりと感じながら、植物が持つ穏やかで芯のある力を、ぜひ日々のケアに取り入れてみてください。
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